.

...

私にとっての安達としまむら

隙があったので、今日は安達としまむらが自分にとってエモいって自分語りをしようと思います

ここで指す『安達としまむら』というのは2013年3月10日に発売された原作の小説のことであり、漫画版はあまり関係ない。ましてやアニメ版などは『私にとっての安達としまむら』の中に含まれるものではないです。ペッペッ

 

まず、私が安達としまむらを知ったのは、なんかのラノベを買った時に封入されていた発売予告のアレだった。電撃うんちゃら。。。名前は覚えてない。なんだっけあれ

最初に女性2人と白い背景というシンプルなイラストが目を引いた。次にあらすじを読んで「これ百合じゃん!!!!!!!!」となったのだった。入荷日を確認して、それに合わせて買いに行った。アニメイトに買いに行ったらクリアシートのような特典が付いてきた。嬉しかった

2013年3月10日に私は何をしていたかというと、まぁあんまり覚えてないんですけど、多分年次で言うと中学3年生だったと思う。卒業を控えてる感じですね

中学2年生の時に百合にハマったので、もうなんていうんですか。今まで知らなかったジャンルをどんどん開拓していく感じで、それは浮かれていた

そんな状態の時に入った一報が安達としまむらの発売である。みーまーと電波女はすでに読んでいたので、既知の作家からでる百合作品にめちゃめちゃ浮かれていたし、その存在が特別なものだと感じていました

 

私の青春時代にあったものだからエモいんですね、はいはいという話で終わっても半分くらいはあってるんだけど、もう半分には安達としまむらという作品の質感にあります

安達としまむらって、ざっくりいうと『人生ベース』のフィクションじゃないですか。比較すると、裏世界ピクニックありますよね。あれは『人生+α』なんですよ、私の感覚的には

裏ピも間違いなくその生活が登場人物たちにとっての人生だと。そう思うんですけど、あれは登場人物のベースの人生に+αで現れた『裏世界』にまつわることを中心に描写されていますよね

でもあだしまはそうではなくて、人生という大きな流れの中で起こることが登場人物目線でピックアップされて、事細かに描写されている感じ。伝わってますかね? ここ数年の数冊で「人生の話だ」って思ったんです

 

安達としまむらの質感=人生って感じ』

 

これが私があだしまに感じるエモさ、なんです。ここまでざっくり8割

じゃあ残り2割は何かっていうと、私の住んでる街ですね。そこらへんの話になってきます

 

私の家は札幌市の中心部にあって、もちろん安達としまむらが舞台になっている土地ってわけではないです。そこは関係ないの

あくまで私の感覚であって他の人がどう感じるかは知らないんだけど、札幌市って西と東でだいぶ違う。北と南もかなり違うけど、私的にはエモさで言えば東西が好き。その二つの中でも、西側が好きなんです。東か西かで言ったら絶対に西。何故ならエモいから。東もエモいけどね

東と西とでは違うエモみがあって、東のエモは私にとって単発なんです

昔は家が東区にあって、厚別区の青少年科学館連れてってもらったりとか、カテプリ行ったりとか、平岡のジャスコとかね、マジで小学生くらいの時の幼い頃の記憶と紐づいててエモいんですよね

だけどそれくらいしかエモがないというか、ごく個人的なエモであって、実際の街並みというところでいうと、なーーーんか閑静な住宅街がブワーーっなってる感じで、特に清田区あたりでいうと公共交通機関もあんまりなくて、ごちゃごちゃしてなくて整った感じがするんですよね。マジで悪く言うと、ハリボテみたいな感覚を覚えるんです。行くたびにね

でも西は違うの。公共交通機関がわりとあって、まぁ私が通ったことがあるところの話にしかならないんだけど、マジでざわざわしてる感じがするの。車で通るだけでも人の息遣いがわかるような感じで、人がいっぱいいる気がする。それがエモいっていうか、「うわ、人生だ」って思うんです

中央区から西に、西区を通って手稲区も突っ切っていくと小樽市に入るんですよ。それがマジでエモ。1番のエモ

まぁエモーショナルもあるけど、ノスタルジー的なのがかなり大きいかな

 

私は安達としまむらを読むとね、小樽を思い出すんですよ。なんでかっていうと、小樽に旅行に行った時に安達としまむらを1巻を持って行ったことがあるから

私の家は金あるはずなのに旅行とか全然行ったことなくて、そんな中で年に1度の一大イベントがグランドパーク小樽に泊まりに行くことだったんです。父親抜き祖母追加で

もう今じゃお金なくて泊まってないけど、私の記憶が無いくらいの時から高校卒ギリくらいまで毎年のように春休みをつかって泊まりに行ってて

グランドパーク小樽っていうホテルはウイングベイ小樽っていうショッピングモールと繋がってて、小さい頃からショッピングモール好きだったから。特にもう夕飯を済ませた遅い時間帯に我が物顔でモールを練り歩くのがマジで楽しかった。「今日ここ泊まるから家だわ!!」みたいな感じで

泊まり以外でもちょくちょく小樽には遊びに行ってたし、そういう思い出が(青春時代を含めて)十数年にわたって積み重ねられた場所だから、小樽は1番のエモなんです

 

小樽って飲食店ろくにないのね。ないことはないかもなんだけど、当時は弟も小さかったし、そういう子連れの人達が行ける場所ってあんまりなかった。だから泊まりの時の夕飯は、モール内の寿司屋かフードコートか運河近くにあるびっくりドンキーだったんだけど、2013年の春休みに泊まりに行った時、安達としまむら1巻を旅行先の小樽に持っていって。びっくりドンキーで料理が運ばれてくるまでの待ち時間で読もうとしたけどまぁ結局ろくに読まなかったっていう思い出がかなり強く焼き付いてて。それで小樽とあだしまが直結するようになっちゃったの

3月10日発売だから、多分13日には購入して14日ごろには読み終わってたと思う。小樽に行くのが大体3月29日辺りからだったから、よっぽど気に入っちゃってて、「安達としまむらを小樽でも読み返して思い出にしよう!」って思って持って行ったんだよね。多分ね

まぁそれが上手いこと成功したんですわ

 

小樽って、山もありゃ海もある、『坂の街』とか言われてる(調べたら函館も言われてた。どっちやねん)くらいガチでごちゃごちゃした街なんですよ。こんなところで生活できんのかよってくらいの勾配のところに車が停まってたり腰の曲がったご老人が坂を登ったりしててさ、確実にそこで生活している人がいるわけ

西区も手稲区も人生なんだけど、小樽もかなり人生だって思う

私は実家暮らしなので自分の人生を生きてる実感がないんですよね。『生活の実感』って言った方が正しいな。生活の実感が湧かない。自分で生きて自分で生活を続けてるっていう実感がない。それを手に入れようにも、収入が追いつかないのが現状だし、親が生きているうちは手に入れられないと思うんだけど

なんか、他人が別の場所で確かに生活している様子を見ると、「うわ、人生だ」って思うんですよ。それが家の西側は特に強くて。人生の圧が。人生の感じが強いんですよ

 

安達としまむらって、途中くらいまでは2人の仲の進展というか、安達の努力の様をニチャニチャと眺めていた感覚だったんですけど、最終話が終わった9巻〜アニメ特典小説あたりで「うわ、人生だ。。。」って思わせられるような描写が多くなってきた気がするんですよ

9巻以降、まぁいいかで付き合い出したはずのしまむらの人生に、確実に安達という存在が絡み付いて根を張っていく様、見てましたよね? 読んだよね??? 『しまむらの人生+ちょっこり安達(←頑張れ!!)』だったのに、もうしまむら自身が「安達は欠けてはならない存在だ」と認識しているじゃないですか。もう特典小説とか、、ヤバかったんですよ!?!!?!?! 

そうやってしまむらに安達が関わろうとして、関わり続けて、人生に食い込んでいった結果、しまむらという人間そのものの価値観も変わって、しまむらの中で安達という人間の重みも変わって、生活する場所も変えていくじゃないですかあの人たち。マジで人生じゃん。なにアレ!!!!

そんで11巻もマジで人生でした。人間同士〜〜って感じ。マジでいいですね。私の初恋相手がキスしてたと併せて読むべきです

 

それとね、私には起こり得ないことが、(フィクションだけれども)安達としまむらの間には起こったのか〜みたいな、自分の人生にないものが他人の人生にたくさんあるのも人生じゃないですか。私自身の人生と比較したところでも人生って感じがするんですよね

安達としまむらを読むと、自分に無いものを突きつけられてるみたいな感覚がして軽く落ち込むんですよ。それと私の中にある小樽に対するノスタルジーの相性が絶妙なんです

エモとノスタルジーって、わぁ素敵とかわぁ懐かしいっていう感覚も味わえるけど、それに付随する忘れたいような出来事とかも思い出したりして、皮膚をバリバリ掻きむしってるような感覚もあるじゃないですか

自傷行為とまでは全然いかないけど、このまま反芻し続けたらバッドに入るみたいな。皮膚を掻きむしり続けたら血が出るみたいに。そういうところも重なってる感じがする

だからそんな感じなんです

 

って話でした

正直いうと倫理とかモラルとかポリコレ的にどうなん? みたいな描写はちょこちょこあるじゃん。それがなくてマジで快適な創作物とかももちろんあるし。スティーブン・ユニバースとか作りたい女と食べたい女とかね? でもそれには私のこの感覚は担えないというか、まぁたっぷり11巻分も、10年近く続いている作品だからさ、思い入れもひとしおって感じじゃん

今から『私にとっての安達としまむら』と同等の作品を見つけろって、同等の存在を見つけろって言われたって絶対無理です

好きだね、やっぱり。12巻が楽しみです